田舎でオール公立でも最高の教育を目指す

地方で子育てをする医学博士夫婦の教育論

夫の教育方針①「あなたらしくないよ」

今日は、うちの夫が子供たちの教育にどのように関わっているかを書きたいと思います。

いや、あまり関わっていないという事を書きたいと思います。笑

夫は、いつも明るく前向きで優しい人です。

ただし、単なる「いい人」ではありません。

他人が、「これを言われたらキツイなぁ…」という一言を的確に見抜いて、笑顔で優しく言うんです。笑

なんだろう。

「シロウトで不勉強なので教えて欲しいのですが…。」と下手に出ておいて、

ものすごく核心をついた、手厳しい質問をするタイプ、とでも言いましょうか…。

そんな夫がよく使う言葉が、

「あなたらしくないよ。」 です。

私が家事育児にいっぱいいっぱいになって、余裕がなくなっている時、

仕事が上手くいかなくて落ち込んでいる時、

子供たちをつい感情的に叱ってしまいそうな時、

「どうしたの?君らしくないよ。」と言われます。

そうすると、ハッとして不思議と冷静になれるんですよね。

この言葉を、夫は子供たちにも使います。

習い事に行きたくない、と言ったときは、

「行かなくてもいいけど、気分が乗らないくらいで休むなんて〇〇らしくないね。」

毎日の習慣にしているトレーニングをやらなかった日には、

「自分で決めたことをやらないなんて、〇〇らしくないよ。」

お友達とケンカして謝れなかった時も、

「〇〇らしくなかったね。」

テストで間違えた時には、

「こんな問題を間違えるなんて、珍しいね。〇〇らしくないね。」

優しくこう言われることは、責められるよりも実は結構きついんです。

自分が悪かった、自分が間違っていた、注意が足りなかったと、否応なく認めざるを得ないんです。

しかも、「その行動は、本来素晴らしい人であるあなたには似合わないよ。」という言い方なので、

私ってそんな風に思われているんだ。その期待に応えなければ…という心理が働いてしまうんですよね。

たぶん、夫の事だからそこらへんを計算してわざと言っているのに違いありません。

こんな夫の言葉は、諸刃の剣かもしれないと思うことがあります。

あんまり何度も「あなたらしくない」なんて言われたら、場合によっては「私らしいってなんだよ!」っていう反発にもつながりかねません。

こう言われて、否定的に受け取ってしまい、逆に潰れてしまう人もいるでしょう。

この言葉を使う相手や場面の選び方と頻度が、絶妙だと思うんです。

こう言われると奮起して頑張れるタイプの人間だけを選んで使うのだと思います。

こういう言い方は、特に負けず嫌いな子供には有効です。

うちの子供たちはみんな父親のことが大好きで、かつ尊敬しています。

尊敬していると言っても、特別威厳があるわけではないので、「抱っこして」とか「お腹空いた」とか「これ買って」とかたくさん甘えているのですが、

心のどこかで、「この人に認められたい」という気持ちが強いんですね。

その夫に「あなたらしくない」といわれると、「くやしぃ〜!!」って負けず嫌いの性格に火がつくのでしょう。

すぐに自分の言動を修正して、「やっぱり〇〇する!」と言ってきます。

テストや問題集で間違えたところなどは、即解き直して、夫に「ドヤ!」と見せに行きます。笑

夫は、子供たちの教育に関してはほぼ私に任せてくれていて、いちいち細かい事を子供に教えたりしません。

あくまでも、「お父さんは信じている。」というスタンス。

子供たちも、父親に勉強を聞いたりしません。

日々の細かい事をチェックしてくるのが母親で、その成果を見せる相手が父親です。

たぶんそれが自然にできたうちの役割分担で、両親2人で同じ事を言って追い込まない方がいいんだろうなと思います。

私自身もまた、夫のこの言葉のおかげでここまで来れた気がします。

4人目の子供が生まれた時には本気で仕事を辞めよう、もう両立はできないと思いましたが、

「仕事を辞めることに反対はしないよ。好きにしていいよ。でも君らしくないね。君なら何もかも手に入れられると思うのに。」

ってもぅ〜!!そんな事言われたら辞められないって…。笑

そんなこんなで、私はここまで仕事を続けてきてしまい、今では一生働き続ける気満々なのだから不思議なものです。笑

人は無意識のうちに、他人から投げかけられる言葉によって、自分という理想像を作り上げ、そこに近づこうとする生き物なのかもしれません。

理想の専業主婦

理想の母親

理想のキャリアウーマン…

現実が思うようにはいかなくても、一度信じたものを裏切ることはなかなか出来ません。

それから、自分に期待して信じてくれている人の思いには応えたいと思う気持ちもよくわかります。

私も、自分に期待してくれている夫や上司がいるからこそ、ちょっとくらい無理をしてもその期待に応えようとしてしまいますから。

そのちょっとした無理を積み重ねて、これまでの壁を乗り越えてきたような気もしないでもありません。

しかし、やっぱりこの言葉は諸刃の剣です。

他人が作り上げた、「あなたらしい」に縛られることになり、

他人の理想を押し付けられた人生を生きることにならないだろうかと、考え過ぎかもしれませんが時々思います。

ただ、間違いなく言えることは、私自身はそう言ってもらえてよかったと思っているという事です。

あの時踏ん張れてよかった。

自分を見失わなくてよかった。

仕事を続けていてよかった。

こんなふうに背中を押してくれる人は、この歳になるともう夫以外にはいません。

自分の理想像がぐらついて不安定で崩れそうな時は、他人がそれを支えてくれるのもアリだな、と思います。


本当かどうかはわかりませんが、子供は3歳までに投げかけられた言葉通りに育つらしいです。

かわいい、かわいい、と言われていればかわいい子供に。

頭がいいね、天才だね、と言われていれば頭のいい子供に。。。

我が家はどうだったかなと振り返ってみると、「あなたは特別な子供だよ。」っとずっと言い聞かせていた気がします。

4人全員にそう言っているので、いつか大人になった時に、「あ、それオレも言われた!」「私も!」ってなりそうですけどね。笑


私は、夫の子供たちに対する「あなたらしくない」を、もう少し見守ろうと思っています。

たぶん、どこかで破綻するやり方かもしれないけれど、成長の過程で「あなたらしくない」と言われて育った事が背中を押してくれたり、ブレーキをかけたりしてくれることがあるのではないかなと思っています。