田舎でオール公立でも最高の教育を目指す

地方で子育てをする医学博士夫婦の教育論

子供は与えられた物の価値がわからない

私は小さい頃、京都の職人が作ったという立派な7段飾りの雛人形が家にありました。

しかし私は人形なんかにちっとも興味がありませんでした。

私が好きだったのは「鯉のぼり」です。

毎年子供の日が近づいてくると、スーパーで売られている小さな鯉のぼりが付いたお菓子を買ってもらうのが楽しみでした。

中のお菓子が無くなっても外側の鯉のぼりだけはずっと持っていました。

一度母親に勝手に処分されてしまい、激怒した記憶があります。

雛人形や五月人形を飾るという伝統や風習を否定しているのではありません。

子供にとっては与えられた物よりも、自分で選んで手に入れたゴミみたいな物の方がずっと価値があるのです。

毎年雛人形を飾る度に、「これは本当にいい品物だ」とか、「お嫁に行くときは持って行っても良い。」とか、言われれば言われるほど、私の中でその価値は下がっていくだけでした。

私の知り合いの医師で、大きな病院の息子がいます。

私から見たら、継げる病院があるなんて本当に羨ましいですが、その本人は自分の親の病院は絶対に継ぎたくないと言っています。

もうすでに軌道に乗っている病院ですから、患者さんもスタッフもまとめて引き継げば、これからもずっと安定して上手くいく可能性が高い病院です。

そんな恵まれた環境ですら、彼にとっては価値が無く、むしろ足かせでしかないのです。


私は、親が子供にむやみに与えない方が良いと思っています。

快適な勉強部屋、必要以上の参考書や問題集、望んでもいない塾通い…。

どうせ子供は与えられた物や簡単に手に入れた物の価値などわかりません。

ありがたみがわからないので、粗末に扱ったり、ムダに使ったりします。

ちなみに私は5、6歳の頃、そのお雛様とお内裏様の首をそぉっと回してみたら取れてしまったので、顔を入れ替えて遊んでいました。

お雛様とお内裏様の顔が入れ替わっているのに家族の誰も気がつかない…。これほどたまらなくおかしいことはありませんでした。

さらに叱られるかもしれないというスリルを満喫していたという、まったく私という人間は、当時からロクな子供ではありませんでした。

もし私の子供たちが同じ事をやったら、笑って許せる自信がありません。

結婚する時も、娘が生まれた時も、雛人形を持っていくように言われましたが全力で拒否しました。

7段もあって場所を取る上に、実は首が取れている雛人形なんて正直欲しくありませんから…(汗)


私が自分の子育てで失敗したなと思っているのは、長女に早く個室を用意してしまった事です。

1人目の子供だったので、小学校に入学するというイベントが嬉しくて、個室に学習机にベッドまで全て揃えてしまいました。

しかも学習机は国産の木材で職人の手作り…。これって、自分の両親が雛人形でやったのと同じ失敗をしてしまっているんですよね。笑

結局長女は未だにリビング学習で、夜もまだ1人では寝ていないので、部屋も机もベッドも使われないままです。

いずれは使う物ですが、欲しがってから、その時に好きなデザインの物を買ってあげれば良かったと思います。


そんな長女は最近、塾に行きたいと言い始めました。

さらに、中学受験もしたいと言い始めました。
(クラスの友達が受験を視野に入れて塾に行き始めた影響です。)

中学受験はさせるつもりはありませんが、塾に通わせることは少しだけ考えています。

長男と次男が活発過ぎて、勉強している長女のノートに横から落書きをしたり、後ろからおもちゃの剣で斬りつけてきたりするのです。

この環境で集中して勉強をしていること自体すごい事で、本番の試験でどんな人が隣にきても長女は大丈夫だという自信があります。笑

ですが、下の子たちの世話も大変でなかなか勉強にじっくり付き合えなくなってきたのと、そろそろ親は先生役ではなく、サポーター役になろうかな、という思いが頭をよぎります。

長女はすでに学習習慣もあり、ある程度自分で答えや解説を読んで理解できるようになったので、次は次女と長男の学習に力を入れたいとも思っています。

そして塾に行かせるタイミングも本当に迷うところです。

たぶん、簡単に塾通いをさせてしまったら、個室を与えた時と同様に、塾を有効活用できない気がするからです。

塾がただ友達に会う場所になってしまっているという例もよく聞きます。

何のために塾へ行くのか、送り迎えなしで自分で行けるのか、お金はどれくらいかかるのか、他の習い事と両立できるのか、

そういった事をまず長女と話し合って目的を共有して、機が熟した時に決断したいと思っています。