田舎でオール公立でも最高の教育を目指す

地方で子育てをする医学博士夫婦の教育論

がん治療についてひと言だけ

小林麻央さんが死去されたニュースを受け、外科医の端くれとして少しだけ書かせて下さい。

癌と診断されたら、どうか、標準治療を選択して下さい。

セカンドオピニオンも必要なら構いませんが、迷っている間にも癌はどんどん進行します。

多くの癌において、完治するための手段は手術です。

手術ができるということは、完治する可能性があるということです。

このご時世、医者が患者に無理に手術を勧めることはできません。

切らずに治したいと言われたら、

民間療法を選択すると言われたら、

その意思を無視して無理やり手術することなどできない、あくまでも本人の意思を尊重しなければならない時代なのです。

(昔は本人に告知しないまま手術をしてしまうケースも多くありました。)


今でも悔やまれる出来事があります。

親友のお母さんが高校の先生をしていました。

彼女に舌癌が見つかった時、まだ初期のものだったので手術で取り除けば完治する可能性が高いものでした。

でも彼女は、自分は教員だから、舌を切ったら授業に支障が出ると言って手術を拒否しました。

私も一緒に説得したのですが、彼女は「舌癌は放射線治療でも完治する」という記事を信じ、結局手術をせずに放射線治療を選択しました。

彼女を説得しきれなかった私と、当時の頭頸部外科の主治医の力不足であったと思います。

確かに、放射線治療だけで完治するケースも稀にあるのかもしれませんが、それは多数派ではありません。(現在は重粒子という選択もありますが)

結局、放射線治療で癌は一時的には小さくなりましたが、消えて無くなるわけではないので、照射が終わってしばらくすると癌は一気に進行し、彼女は亡くなってしまいました。

すぐに手術をしていれば、舌を半分は残す事が出来たそうです。

命がなくなっては、あれほどこだわっていた教壇に立つことすらできません。

小林麻央さんの場合は、癌と診断された時にはすでに進行している状態だったのではないかと言われています。

なので標準治療を受けなかった事が死去につながったわけではないかもしれませんが、

手術という選択ができるということは、完治する可能性がある、幸運なことなのです。

悲しいことに、外科医はすぐに何でもかんでも切りたがるというような記述を目にすることもあります。

温存する事が名医の条件であるかのような記事も時々見かけます。

手術や化学療法がまるで悪であるかのように書かれた書籍もあり、中身を見ると絶句してしまうような内容です。

どうか、がんと診断された方が、そういったものに振り回されないで欲しいと祈るばかりです。


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