田舎でオール公立でも最高の教育を目指す

地方で子育てをする医学博士夫婦の教育論

普通のことを普通にやれる能力

昨日、近場のレジャー施設に子供たちを連れて遊びにいった時、そこで受付をしている40代半ばくらいの女性に思い切って声をかけました。

前回行った時も彼女はそこで働いていて、私は一目惚れをしたのです。

私は決めた。

この人を口説いて、絶対に落としてみせる!

私のクリニックの受付として。

(まだまだ先だけど、良い人材は早めに確保しておかなければ。)


ハローワークにクリニック受付(医療事務)の求人を出すと、私の住む地域では軽く30人くらいの応募があるそうです。(ほとんどが女性)

それだけ、なんのスキルも経験も持っていないけれど働きたい女性は多いのだと思います。

でもそれは、受付という仕事をある意味「なめている」証拠でもあるように思えます。

しかし雇う側からすれば、給料を払う以上、普通のことを普通にやってくれる人でないと困るのです。

普通のことを普通にやれる人は非常に少ないです。

普通のことって何かって? そんなに高いレベルを求めているわけではありません。

① 挨拶ができる。

② 笑顔で人と接することができる。

③ 遅刻をしない。

④ ごく普通の気遣いができる。

これがちゃんとできる人が本当に少ない。全然いない。ほぼゼロに近い

先に開業した先輩が、「何十人も面接をして良い人がいないと時間ばかりが無駄になってつらい」と言っていたので、私は求人ではなくて、まずは自分の足で探すことにしました。笑


① 挨拶ができる

そんなの当たり前だと思うかもしれません。でも大抵の人は、挨拶をするべき場面の7割くらいしかできていません。

残りの3割はなんとなくスルーしています。

これは無意識にやっているそうなので、本人は「ちゃんとやっている」と思っているため注意してもなかなか直らないのです。

おはようございます。こんにちは。

お疲れ様でした。お大事に。

たったこれだけを、100%できる人材は本当に貴重で希少です。


② 笑顔で人と接することができる

これも本当にできる人が少ないです。

ほとんどの人が無表情です。

だいたい、頑張って作り笑顔をしているつもりでも、普通に無表情にしか見えないものが多いので、本当に無表情でいたらたぶんそれは怒っているようにしか見えません。

受付は、ただカウンターの前に座っていることも多いので、たとえ無表情でも人を不快にさせない事は大事です。

話しかけにくい雰囲気を出さない。そして話しかけられたら笑顔で接することができるのは、医療事務の資格なんかよりずっと素晴らしい能力です。

どんな美人でも、笑顔がなくて能面みたいな人は雇えないし、無表情がホラーのように怖かったら雇えません。こわ。笑

私が面接をするとしたら笑顔と同じくらい、ふとした無表情を重視します。

人間は1日のうちの多くの時間を無表情(真顔)で過ごしているので、もし就活中の方がいたら、自分の真顔ってどんな顔かを鏡でチェックしてみるのは意外と大切なことかもしれません。


③ 遅刻をしない

もー、当たり前すぎて嫌になるんですけど、これもできない人が多いです。

ギリギリにダッシュで飛び込んできて、きちんと身支度も整えずに息を切らしたまま受付に座って、その瞬間から本当に仕事ができますかねー?

最近では労働条件も細かく厳しいので、ユニフォームへの着替えや準備の時間も労働時間とカウントして時給を出さなければならない風潮です。

でもそうやって権利を主張する前に、本当に始業時間からきちんと万全の態勢で仕事をするつもりがあるのなら、せめて5分は早くきて、呼吸を整えるくらいはして欲しいのです。

汗だくでゼーゼー言いながら接客したり電話に出られても困るんですよね、正直。

「早く来てもやる事ないし…」とか言って始業ぴったりに来る。ぴったりに来ると仕事の開始は当然遅くなる、という人が多くてもぅ…。

雇う側としては給料やボーナスだけでなく、社会保険料や水道光熱費やユニフォーム代やお茶代や有給休暇、退職金の積立、

その上、長時間座っていても疲れない椅子とか、スタッフルームのロッカーとか、キッチンとか、テレビとか、気持ちよく働いてもらうためにいろんなものを負担しているわけです。

人を1人雇うための負担は、雇われている側が思っている以上に大きいのですよ。

だから、どんな仕事もプロ意識を持ってやって欲しいのです。


④ ごく普通の気遣いができる

一応小さなクリニックと言えども医療機関なので、顔色が悪かったり辛そうな人がいたら、「大丈夫ですか?」とひと声かけるとか、

受付の仕方がわからない人がいたり、ドアの開け方に戸惑っている人がいたら進んで声をかけるとか、

座るところがないお年寄りがいたら予備の椅子をさっと出すとか、(それ専用の椅子も準備してあるし、そうするようにマニュアルにもあるのだから)

「そういう気遣い、ないわけ?」といつも思います。

もし自分が病気になって通院するとしたら、1分でも立っているのは辛いと思いませんか、と。

そんな状況でも、大抵の人がスルーします。

声をかけられて助けを求められない限りスルー。見て見ぬフリ。

これってもう、現代の文化になりつつあるなぁと思います。スルー文化。

技術的な事や知識は教えればなんとかなりますし、笑顔も遅刻も挨拶も根気よく指導すれば少しは改善するかもしれませんが、④の気遣いだけは「人間性」そのものなので、どうにもならない気がします。


だけど世の中には、①〜④の事を息をするように当たり前にできる、神様みたいな人材がたくさん眠っています。

昨日声をかけて少し話を聞いたその方も、前回見かけて一目でいいなと思ったのですが、普段は専業主婦で、派遣で夏の間だけレジャー施設の受付のバイトをしているのだそうです。

40過ぎてなんのキャリアも専門性も無いと、なかなか理想の定職に就くのは難しいのかもしれません。

でも、上記の4つが自然にできるのだとしたら、それはものすごいスキルです。

普通のことなのだけどできない人が多すぎるため、当たり前なのに特殊能力です。

たぶん、AIなどに取って代わられることのない、人間にしかできない素晴らしいスキルです。

その辺の通信教育でも取れるような資格なんていらないので、そういう人にぜひ働いてもらいたいと思います。

普段は学歴や教育の事ばかり書いていますが、本当に人間力っていうのも大事な能力だとつくづく感じます。

学歴や教養は確かに大事だけれど、やっぱりそれだけではダメですね。

しかしこういった人間力は、履歴書や面接だけで推し量ることができないのも事実。

どこにも発揮することの無い能力が、この社会にはたくさん埋まっているのだろうと思うと本当にもったいないです。


さて、その女性。シルバーウィークまではそこで働いているそうなので、また時々この施設に通って、思い切ってスカウトしてみようかなと思ってます。


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