田舎でオール公立でも最高の教育を目指す

地方で子育てをする医学博士夫婦の教育論

公立中高一貫校が田舎で流行っています

ここ十数年前から、地方の各地で公立中高一貫校が設立されているのをご存知でしょうか。

既存の高校に中学校を併設したり、全くの新設だったり、形は様々ですが、首都圏や関西圏の私立中高一貫に追随するように、自治体が税金を投入して中高一貫教育に力を入れています。

どういう経緯からそういう流れになったのか私にはわかりませんが、おそらく大学入試で都会の中高一貫出身者に敵わない、という田舎の公立が危機感を抱いたことが理由の1つにあると思います。

私の住む地域にも公立中高一貫校はいくつかあります。

県立の上位校から中高一貫高に再編されたような学校は、以前の高校の校風をそのまま受け継いでいるので進学率もそのまま高いです。

一方、もともと進学校では無かった高校が中高一貫になったところで、進学率はさほど上がりません。

新設された中高一貫校に関しては、初年度だけみんなが飛びついて受験したのでものすごい倍率になったそうですが、1期生の大学入試結果が出たあたりから人気は落ち着きつつあります。

田舎の人たちにとってみれば、これまで中学受験という選択肢がほとんど無かったところに公立中高一貫校が出来始めたので、急に「中学受験」が身近なものになりました。

それに加えてこれだけインターネットを介した情報収集ができる時代になると、都会の人のように中学受験をする事がさもステータスであるかのように錯覚してしまう親子もいると感じます。

私は基本的に中高一貫教育には賛成の立場です。

なぜなら、私自身の経験として公立中学の勉強は物足りないものだったからです。

中学の時は、定期テストで5教科の合計点が500点満点中、490〜499点を取るのが当たり前でした。(500点満点は取ったことがありませんでしたけど。)

問題が簡単だったのです。

高校に入って急に学習内容が難しくなって量も増え、授業で教科書が終わらないまま大学入試に突入したので、こんな事なら中学でもっと教えて欲しかったと思いました。

でもそれは、よく考えてみれば中学までは義務教育である以上、高等教育と差があるのは仕方がないのかなぁ、とも思います。


田舎で最近流行りの公立中高一貫校と、首都圏や関西圏の私立中高一貫校とは、やはり一線を画するものだと思います。

もちろん、田舎でも良い中高一貫校はたくさんありますし、特に前身の学校がトップ校だったとしたらその伝統を引き継いでいる可能性が高いのである程度信頼性も高いと思います。

ただ、よく検討して欲しいのは、田舎の中高一貫校が、中高一貫のメリットである「先取り学習」と「高いレベルの授業」を維持するためには、「生徒の質」も維持し続ける必要がある、ということです。

首都圏や関西圏であれば、都道府県をまたいで有名中高一貫校に入学したい生徒は山ほどいるわけですから、モチベーションの高い生徒がこれから先もずっと入学し続けることはある程度保証されているでしょう。

しかし、田舎の中高一貫校は、結局入学してくる生徒の母集団はこれまでと全く一緒です。

同じ中学受験でも、選抜試験もさほど難しくできないですし、「頭のいい子が入学する」というよりは、「中学受験をしたい子が入学している」という傾向があるのは否めません。

そんな子供たちの入学後の伸び代などは未知数ですし、結局入学後の伸びにばらつきが出てくれば、授業のレベルや速度を落とすか、できない子を切り捨てて先に進むしか選択肢は無くなります。

その上、地方の少子化は確実に進んでいるので、公立中高一貫校がその価値を維持し続けるのも難しくなってくると思います。

私が住んでいる地域の例をあげてみます。

前述した、前身が上位の進学校であった中高一貫校は、東大受験を目指す学校になりつつあり、上位層の進学先は素晴らしいものがありますが、上位層以外の進学先は極めてお粗末なものだと感じます。

おそらく、上位層に入れないような生徒は途中でついていけなくなり、その生徒に対するフォローが良くないのでしょう。

前身がもともと進学校では無かった中高一貫校は、依然としてのんびりとした自由な校風を貫いています。

こちらは進学率は高くないですが、中高一貫になったおかげで、休学して海外留学をすることが比較的容易になったようです。

単に進学だけが中高一貫のメリットではないのかもしれません。

そして新設された中高一貫校は、まだ設立して年数が浅いので、進学率も進学先も毎年バラついています。

田舎でかき集めた、単に中学受験をしたい人が入学している可能性が高く、まだカリキュラムも指導方法も確立されていないのか、評判は賛否両論、いろいろ聞こえてきます。


公立の中高一貫校はその自治体によってかなり差があると思われますので、この記事を鵜呑みにせず、それぞれの地域での情報をお確かめください。

ただ、地方ではまだまだ中高一貫校よりも、県立のトップ校の方が偏差値が高い場合が多いのではないかと予想しています。

中高一貫のカリキュラム自体には大賛成です。

ただ、田舎のような限られた集団の中では、小学校6年生時に選抜された生徒よりも、中学3年時に選抜された生徒の方が、エリートとしての精度は高いです。

その学校の偏差値や授業のレベルというものは、学校や先生が決めるものではなく、あくまでもそこで学ぶ生徒によって決まるものなので、これからも状況によって変化していくものだということを忘れてはいけないと思います。


ところで、このブログは「田舎でオール公立でも…」というタイトルがついていますが、もし我が家が中学受験をして公立の中高一貫校に進学させた場合でも、このブログは「田舎でオール公立でも…」と名乗って良いものでしょうか?

公立であることに変わりは無いので間違ってはいませんよね。笑

公立中高一貫の存在を意識していなかったので紛らわしいタイトルをつけてしまったものだなと思いますが、しかし、我が家は中学受験はせず、高校受験コースで行くつもりです。



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