田舎でオール公立でも最高の教育を目指す

地方で子育てをする医学博士夫婦の教育論

先生の給料をもっと上げたらどうだろう

選挙ですね。

各党、様々な公約を掲げていますが、「医療費を削減します」なんて公約はどの党も掲げていませんね。笑

そんな公約を掲げたら、今行なわれている医療を一部やめるということ、イコール「死ね」っていうことか?と反感を買うでしょうし、

各世代から票を失うでしょうから、誰も言い出す人はいないでしょう。

見たくないところにはずっとフタをしていく政治が続いていくのでしょうね。

でも、そろそろ医療費の増加を止めないと大変なことになる気がします。

医療費から給料をもらっている立場でこんなことを言うのは気がひける部分もありますが、

医療費使い過ぎですよ。

うちの病院では、ある症例に対して全例、全身CTを撮ることになっています。

稀にある合併症の見逃しを防ぐためなんですが、

何も全例撮る必要は無いと思うのです。明らかに軽傷の人とか、要らないでしょう?

でも万が一見逃してしまった時に訴訟で負ける可能性があるので、全例撮るという決まりになっています。

マニュアル化すれば、医師の能力差による不利益が生じないようにできるメリットはありますが、

そのせいで、いろんな部分で医療は過剰になっています。


それから、今回の選挙ではあまり話題になっていませんが、保育士の給料は、確実に上がっていますね。

どこの地域も保育士不足で人材の取り合いになっているのに加えて、国や自治体の方針もあり、保育士の初任給はここ1年くらいで3〜8万円も上がっているそうです。

私は、先生の給料こそ上げて欲しいなと思います。

幼児教育無償化もいいですが、その先の小学校〜高校への教育の連続性がなければ、いくら幼児教育をやったってムダになるだけです。

学校の先生という職業を、もっと魅力的で誰もが憧れる職業にしなければ、教育の質は上がらないと思うのです。

最近まで長女のクラスを担当していた教育実習生の話ですが、

生徒たちに「先生は小学校の先生になるの?」と聞かれて、

「先生の資格は取るけど先生になりたいわけではない」と答えたそうです。

あー、それ子供の前で言って欲しくなかったな…笑

わかるけど。。。


弁護士になる人も、大企業の社長になる人も、総理大臣になる人も、みんな子供の頃は学校の先生に育ててもらったわけです。

だから、いつの時代も、先生は誰もがなりたい職業 (でも簡単にはなれない職業) であってほしいです。

そのためには、対価が大きくなければ誰もなりたいとは思いません。


例えば、公立病院の医師の給料は、基本給は決して高くないのですよ。(公務員と一緒ですからね)

しかし、時間外手当や出張手当、研究費などでそれなりの金額になります。

(当直が少なかった月や、呼び出しが少なかった月は給与が少ないです。)

私の父は教員だったのですが、生徒が万引きなどの問題を起こして夜に呼び出されることもありましたし、

保護者から自宅に相談の電話があって1時間以上も通話していることもありましたし、

毎朝不登校の生徒の家を訪ねて、学校に連れて行っていた時もありましたし、

部活の顧問で土日も出勤していましたし、

けっこうハードな仕事だと思いましたよ。

でも父の給料は、退職前でも今の私より少なかったと思います。

まず対価を上げないと、なりたいと思う人は増えませんし、

なり手が増えないと、いい人材が増えないのは当然です。


以前、私立の医学部の学費が大幅に安くなったので、私立の医学部の偏差値が上がった話をブログに書いたと思います。

1例をあげると、以前は6年間で6,000万円ほどだった学費が今は3,000万円ほどになっているところがあります。

まぁ、それでも国立よりはるかに高いですけどね。

偏差値は62→76まで上がりました。

3,000万円なら、家庭によっては例えば持ち家を諦めれば捻出できる金額かもしれません。

その結果、受験者は増えて偏差値が上がり、優秀な学生が増えたそうです。

大学側にしてみれば、学費による収益が減っても、優秀な人材が増えることで大学の価値が上がったというわけです。

学生側にしてみれば、医者のような非常にブラックな職業でも、将来の収入がある程度約束されていれば、多少無理をしてもなりたいと思うものです。

その職業の質を上げたいと思うなら、やはり対価を上げなければ全体の底上げはできないと思います。

ですから、先生の給料をもっと上げて、誰もがなりたいと思える職業にして欲しいです。


話は変わりますが、医者とか教員とか、「先生」と呼ばれる職業は、1度社会人経験を積んでからなった方がいいのではないか?という議論がありますよね。

私はその意見に大反対です!

そんなことをしたら、社会は回らなくなります。

そんな制度がなくても、社会人経験を積んでから医師や教員になる人は一定数いますから、それで十分です。

私の父は、一般企業に7年勤めてから31歳で教員になりました。

それはそれで、良い面はたくさんあったと思います。

しかし私は、教育現場にも医療現場にも、「未熟でも若い情熱」は必要だと思います。

例えば医療現場では、夜中の救急当直をしているのは若い医師が多いです。

自分だけでは判断できない場合に上級医(30〜40代)を呼ぶシステムになっているところが多いと思います。

夜通し働いて、次の日も普通に働くなんてことは若い時しかできません。

病院の規模にもよりますが、45歳くらいで救急当直は免除になるところが多いです。(その代わり土日の日直をしたりします)

私も1、2年目の頃はほとんど自宅に帰りませんでした。

寝ても覚めても1人の患者さんのことを考えて論文を読み漁っていたこともありました。

そんな情熱は若い頃特有のもので、30代以降は守りに入って自分のQOLを優先し、無難にやり過ごすことを覚えてしまい、情熱は失われてしまいます。

もし、社会人経験を積んで医師になるのは全員30代以降になってしまったら、

救急対応が多い救命医や脳外科医や心臓血管外科医を目指す人はますますいなくなる(今も減少している)と思います。

それに、若いからこそ先輩から厳しく温かく指導してもらえる部分があります。

私だって、自分より年上の研修医には細かい指導はし難いと感じるときがあります。

さらに研修医がすでに家庭を持っていたりすると、指導よりも先に「早く家に帰さなければ」という意識が働いてしまい、結果として教える量が少なくなります。


私は教員という職業も同様に、未熟な時しかできない指導があると思うので、若い時から「先生」と呼ばれていいと思います。

ただ、良い人材を確保するためにはやはり、誰もがなりたいと思えることが大事で、そのためには色々な要素が必要ですが、対価を上げることは必須だと思います。

それでもやはり問題はあって、

私立はともかく、公教育というのは「福祉」に近いものがあるので、頑張っても利益を上げられるものではないのですよね。

先生の給料を上げるということは税金が上がる、または他を削るということになります。

今どきは病院だって経営を意識して病床稼働率を上げ、コスト削減をしているのに、学校はこれ以上コストを抑えようがありません。

かといって、公教育は福祉のようで福祉ではないですから、認可保育園のように家庭の所得によって教育費を変えるというのも難しいです。

私ごときの頭でちょっと考えたところでいい解決策は浮かびませんが、

責任が重くてつらい仕事には、それなりの見返りが必要だということだけは間違いないと思います。


さて、投票に行く時間を捻出できるか微妙なところですが、おんぶしてだっこしてなんとか行こうと思います。笑



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