田舎でオール公立でも最高の教育を目指す

地方で子育てをする医学博士夫婦の教育論

貧困から抜け出すには

ブログの引っ越し予告をしたにもかかわらず、ちょっと時間ができたので書いています。

少し前に、自治体の「少子化と子育てと介護を考える会(仮称)」で出会った方が、

こども食堂を運営しています。

私も何かお手伝いできないかと考え、医学部の学生の中からボランティアを募り、

こども食堂での食事の前後に子供たちに勉強を教える活動を始めました。

私はただの橋渡し役です。


私が目標にしていた、塾機能を兼ね備えた学童保育は、ちょっと現段階では難しいようです。

塾が「無料」であることをアピールすると塾業界との間で色々問題が生じるので、

あくまでも「無料塾」ではなくて「学習支援」ということにしなければなりませんし、

運営も、ボランティアだけでは成り立たず、やはり寄付や補助金を受けなければ継続は難しいと感じます。

そこで、まずはこども食堂という場で、不定期で学生ボランティアが勉強を教えるスタイルを試してみることにしました。

最近の医学部の学生は、本当に賢くて教え方がうまいですね。

田舎の学習塾よりレベルが高いです。

カリキュラムに余裕がある1年生(新2年生)と3年生(新4年生)から募集してみたところ、1回目は4人の学生が来てくれました。

こども食堂のスタッフの方々にも感謝され、私も嬉しくなりました。


今、経済的に厳しい環境にある子供たちに、お金や食べ物を支援するのは比較的簡単なことです。

大切なのは、その支援が終わった時に彼ら彼女らがどうやって生きていくか、ということに目を向けることだと思います。

「人生大逆転」って、とっても難しいことだけど、

それを達成しようと思ったら勉強するしかない。

それを子供たちに感じ取って欲しいな、と思います。

もちろん、勉強してもお金の面で大学に進学できないかもしれないし、

希望の職業に就けないかもしれない。

努力が報われるとは限らない。

それでも、近道は勉強しか無い。


それに、勉強から得られるものは、知識だけではありません。

苦しいことにどう立ち向かうか。

不可能をどうやって可能にするか。

自分の力を過信するとどうなるか。

コツコツ続けると、どんな奇跡が起こるか。

そして、今生きている社会は、結果が全ての非情な世界だという事。

それをどう受け止めて、どう立ち上がるか。


勉強は、これから生きていく上で大切な、いろんな事を教えてくれます。

たぶん夢が叶わなくても、ムダにはならないと思います。

でも、まずやってみなければ、それらを得ることはできません。

子供たちには、勉強を通してたくさんのことを学んで欲しいです。

そして、今の「夢を描けない生活」は、君の代で断ち切ることができると信じて歩いて行って欲しいです。


今回の取り組みで見えた課題

こども食堂に行けば、自分の居場所ができて、食事もとれて、勉強も少し教えてもらえるかもしれない。

でも、こども食堂までの交通手段が無い子供たちがいます。

子ども食堂があるという情報を知らない子供たちもいます。

運営側も、大勢押しかけられては困るので、情報をあまり拡散できないという事情もあります。

でも、食品は至る所に余っている。

誰かの役に立ちたいと願っているのに、やり方がわからない人もたくさんいる。

時間は無いけどお金がある人たちがいる。

お金は無いけど時間がある人たちがいる。

これらの支援をどう繋いでいくかというのが問題で、もっとうまく活動できたらいいのになぁと思います。

私も少し、情報発信の仕方を見直していかなければなぁとも思いました。



貧困から抜け出すことと、田舎のオール公立から全国区へ羽ばたくことは、全く意味も難易度も違うけれど、

選択肢が少ない、という部分は似ているのかなと思います。

しかし、選択肢が少ないことは、悪いことばかりではありません。

迷い、選ぶ必要がないからです。

私たちには選択肢がありません。

人生は「選択」を積み重ねた結果だと言われますが、しかしそれは、塾や学校の「選択」を積み重ねた結果ではありません。

「決断」と「行動」

ただそれだけのように思います。

「医学部に行く」と決めたらいい。

そうすれば、するべき行動はもう決まっていて、ノウハウだってあるのだから。


私も仕事をする上で、また、子育てをする上で気をつけていることがあります。

それは、

「できない」と言わない。

「できない」理由を探さない。

どうすれば「できる」かを考える。

それだけで、大抵のことはどうにかなります。


こども食堂で会った子供たちにも、無限の可能性があります。

でもそれを「無限の可能性」という抽象的な言葉にしたままではいけません。

自治体も、学校も、支援団体も、「夢」とか「希望」とか「可能性」とか、ぼんやりしたものしか与えてくれません。

それでは子供はどこに向かえばいいのかわからないままです。

ぼんやり空を見上げていても、貧困からは抜け出せない。

「無限の可能性」を支援するなんて無謀なことで、何の役にも立ちません。

それでは、最初から見捨てているのと一緒だと思います。

もっと具体的に、

学年で1番になる。

◯◯大学に行く。

◯◯(職業)になる。

具体的な目標を描いて、

そのためには今何をするべきか、

自分に許された範囲でやれる最大限の事は何か、

来年にはどんな自分になっているべきか、

しっかりじっくり計画を立てて進む手助けをするのが、本物の支援なのではないかと思います。

私も、知っているだけであと3か所のこども食堂があるのですが、学習支援を続け、広めていきたいと思います。


お金が無くても、アイディア次第でできることはたくさんあります。

「できない」と言わない。

「できない」理由を探さない。

どうすれば「できる」かを考える。

ぼんやりとした「夢」よりも、

具体的な目標のために今日できることを精いっぱいやろう。

私は明日も、ボランティアの学生を募集しに行きます。